彩雲小訳(LingoCloud)機能解説: Web対訳・文書・通訳とEqualang
Equalangこの記事の要点
彩雲小訳(LingoCloud)のWeb対訳閲覧、多形式文書翻訳、用語集、デスクトップ同時通訳の機能仕様と制限、Equalangの連携活用を解説。
キーワード: 彩雲小訳, LingoCloud, Web対訳, 文書翻訳, 用語集, 同時通訳, Equalang
中国語、英語、日本語、韓国語をまたぐ情報収集や国際共同作業では、実務上の多様な課題に直面します。海外ニュースの閲覧、複数ページに及ぶ技術ドキュメントの精読、専門用語集の管理、オンライン会議での発言の聞き取りなど、これらは単純なテキスト翻訳ボックスだけで効率的に解決できるものではありません。
LingoCloud(中国語名:彩云小译、北京彩雲科技開発)は、Webページの二言語対訳ブラウジング、多様なファイル形式の文書翻訳、デスクトップ同時通訳を中心とした定評ある翻訳プロダクトです。ブラウザ拡張機能、モバイルアプリ、デスクトップソフトにまたがるツール群を展開し、テキスト、文書、音声のワークフローに対応しています。
私たち Equalang チームは本ガイドにおいて、LingoCloud のWeb、文書、用語集、通訳機能の仕様、動作環境、制限事項を客観的に整理し、それぞれのツールセットが Equalang のワークフロー設計とどのように連携・補完し合えるのかをわかりやすく解説します。
1. Webページの二言語対訳ブラウジングとテキスト翻訳
技術仕様書、学術フォーラム、海外メディアを読み進める際、記事と翻訳アプリを頻繁に行き来すると、思考が途切れて集中力が削がれがちです。LingoCloud は専用のブラウザ拡張機能を提供することで、この摩擦を解消しています。
この拡張機能は、Webページ上の原文の各段落のすぐ下に翻訳文を挿入します。段落ごとの対訳形式で表示されるため、文脈全体の意味を素早く把握しつつ、専門用語や厳密な表現についてはすぐ上の原文をその場で確認できます。また、テキスト選択やホバーによる即時翻訳機能も備えており、閲覧箇所を見失うことなく素早く単語やフレーズを調べられます。
また、Webブラウザ上では LingoCloud のオンラインテキスト翻訳ワークベンチも利用可能です。この機能には以下のような固有の仕様とルールがあります:
- Webテキストの対応言語:Webテキスト翻訳インターフェースは、中国語、英語、日本語、スペイン語、フランス語、韓国語、ロシア語の7言語に対応しています。
- 混合言語の入力:2言語が混在する文章(中国語の中に英語や日本語が混ざっている場合など)では、自動言語判定に依存せず、手動で原文言語を指定することが公式ドキュメントで推奨されています。
- 改行の処理:整形済みファイルやPDFからコピーしたテキストには余分な改行が含まれることが多く、入力枠内で文が細切れに分断されてしまう場合があるため、手動での整形が必要になります。

LingoCloud の Web FAQ & ガイドライン に掲載されている公式チュートリアル画像。中国語UIによるオンラインテキスト翻訳と多言語選択メニューの様子。

2. 複数形式に対応した文書翻訳と用語集管理
レポート、プレゼン資料、字幕ファイルなどから段落ごとにテキストを抜き出して翻訳すると、ファイルの構造が崩れ、多大な時間を浪費してしまいます。LingoCloud は、ファイル構造やレイアウトを保ったままドキュメント全体を一括翻訳する専用パイプラインを備えています。
対応ファイル形式と出力形式
LingoCloud の文書翻訳は、実務で使われる幅広いファイル形式をカバーしています:
- 対応形式:PDF、Word、PPT、Excel、EPUB、TXT、SRT、XML。
- エクスポート形式:公式モバイルアプリのガイドによると、翻訳処理後のファイルは元ファイルの制限に基づき、主にPDFまたはWord形式でダウンロード可能です。
- 表示モード:後工程の確認や共有用途に応じて、「対訳(原文と訳文を併記)」または「訳文のみ」を選択できます。
言語方向と翻訳モデル
Webテキスト翻訳画面で対応している7言語とは異なり、文書翻訳は主要な地域言語ペアに特化しています:
- 対応言語の範囲:現在、中国語⇔英語、中国語⇔日本語、中国語⇔韓国語の双方向翻訳に対応しています。言語方向を誤って選択すると処理が正常に行われません。
- モデル選択:一般的な文章向けの「汎用モデル」のほか、科学技術論文や学術表現に最適化された「学術専門モデル(現在パブリックベータ版)」を選択できます。
ファイル制限と事前の注意事項
公式ドキュメントでは、いくつかの実務的な制限事項が明記されています:
- アップロード上限:200ページを超えるドキュメントは、150ページ未満の単位に分割してからアップロードする必要があります。またファイルサイズの上限として、PDF、Word、PPT、Excelは20MBまで、EPUBは5MBまで、TXT、SRT、XMLは500KBまでとなっています。
- 暗号化とスキャン文書:パスワード保護や暗号化されたファイルは、事前に保護を解除する必要があります。スキャン画像主体のPDFについては、コピー可能な文字や記号・句読点が混在していない(純粋なスキャン状態である)ことを確認するよう公式ガイドで注記されており、文字情報が中途半端に残っていると翻訳が失敗する場合があります。
- プレビュー機能:ファイル全体を本処理する前に、レイアウトやフォーマットの再現性を確認できる部分プレビュー機能が用意されています。
公開用語集と個人用語集の併用
ビジネス契約書、工学論文、自社ブランド名の訳語統一には、用語集の活用が欠かせません:
- 2系統の用語集を同時適用:Web上のテキスト翻訳や文書翻訳を送信する際、1つの「公開用語集」と1つの「個人用語集」を同時にバインドして適用できます。公開用語集で標準的な業界用語を補完しつつ、個人用語集で自社固有の名称や定義を固定できます。
- 複数モジュール間での共通利用:設定した用語集は、文書翻訳とWebテキスト入力の両方に反映されます。
3. デスクトップ同時通訳:会議や動画のリアルタイム字幕
テキストや静的ドキュメントだけでなく、オンライン講義やWeb会議での発言もリアルタイムの言語支援を必要とします。LingoCloud は、Windows(32bitおよび64bit)およびmacOS(macOS 10.14以上向けベータ版)に対応した「LingoCloud 同時通訳」デスクトップクライアントを提供しています。
音声入力ソースと対応言語方向
- 入力系統:マイクからの音声入力をリアルタイムで取り込むほか、対応環境ではメディアプレーヤーやWeb会議ツールなど、他の起動中アプリケーションから出力されるシステム音声を直接キャプチャできます。
- 対応言語方向:現在の音声通訳は、中国語→英語、英語→中国語、日本語→中国語、中国語→日本語の方向に対応しています。
OSによる機能差と制限
OSの音声アーキテクチャの違いにより、システム音声字幕の動作条件が異なります:
- Windowsでのシステム音声:Windows環境では、Chrome、VLC、Zoom、Skype、Windows Media Player、mpvプレーヤーなど、一般的なアプリのシステム音声を直接キャプチャして字幕化できます。
- macOSでのシステム音声制限:公式ドキュメントによると、macOSのシステムアップデートに伴い、Mac版は現在内部システム音声の直接録音ルートに対応していません。そのため、Mac環境では再生中のアプリ音声を取り込んで字幕を生成することはできません。
4. ワークフローの連携:Equalangが提案する現代の作業環境
LingoCloud は、Webページの閲覧、一般的なOffice文書の変換、単一端末でのデスクトップ同時通訳において堅実なソリューションを提供します。一方で、現代の多言語プロジェクトでは、複雑な数式を含む複数段組の学術PDFの翻訳、ブラウザ上で字幕のないストリーミング動画からのリアルタイム文字起こし、相手に専用ソフトのインストールを求めない通話など、さらに一歩進んだニーズが生じています。
私たち Equalang チームは、文書のレイアウト維持、ブラウザ完結のメディア処理、手軽なリモートコラボレーションにおいて、これらの課題に応える機能を開発しています。

1. レイアウト構造を保つ文書翻訳
専門論文、プレゼンスライド、業務シートなどを翻訳する際、翻訳後の文字数の増加によってページ枠が崩れる問題が起こりがちです。Equalang は文書全体のレイアウト維持に重点を置いています:
- 学術論文・複雑なレイアウトのPDF:Equalang は複数段組の段落、図表、行内数式の位置関係を保持します。改ページによって途切れた文章は翻訳前に自動的に1文に結合され、目次や相互参照リンクの遷移先も維持されます。ファイル丸ごと翻訳のワークフローにより、原文と訳文のドキュメントを並べて比較確認できます。
- PowerPointスライド(PPTX):翻訳文が原文より長くなった場合、テキストボックス内のフォントサイズが自動で収小され、枠外へのはみ出しや図表との重なりを防ぎます。スライド全体のタイトルや専門用語の統一性を維持し、太字・斜体・文字色などの装飾スタイルも対応する訳語に継承されます。
- Excelスプレッドシート:シート内で重複して出現する文字列は1回分のみ翻訳処理を行い、数式や純粋な数値セルには手を加えずそのまま出力するため、セルの書式や計算構造が保持されます。

Equalang 文書翻訳の実例:英語から中国語へ翻訳した学術論文サンプル。左側に原著の英語ページ、右側に上部図表と1段組のレイアウトを維持した中国語訳出ページを表示。
2. ブラウザ内での対訳閲覧とストリーミング動画のリアルタイム字幕
主要デスクトップブラウザ向けに提供している ブラウザ拡張機能 により、日々のWebブラウジングにシームレスに翻訳を統合できます:
- 段落真下の対訳Web閲覧:ページをスクロールする際、元のレイアウトを壊したり別タブへ移動したりすることなく、各段落の真下に自然に訳文が表示されます。
- 二言語動画字幕:YouTube、Netflix、TikTok、Bilibiliなどの動画プラットフォームにおいて、既存の字幕トラックがある動画では二言語字幕を表示します。さらに元字幕のない動画でも、ブラウザ拡張機能が音声をリアルタイムでキャプチャし、二言語字幕の生成を試みることができます(DRM保護のないストリームに限定され、ブラウザ環境や音質条件に依存します)。

Equalang ブラウザ拡張機能の実例:英語から中国語へのWeb記事閲覧において、段落ごとに対訳テキストが挿入されている様子。
3. インストール不要のリモート音声通話
海外の取引先や同僚に、特定のデスクトップアプリやモバイルアプリのインストールとアカウント登録を求めることは、大きな心理的ハードルになります。Equalang はブラウザだけで完結する音声コミュニケーションを提供します:
- リアルタイム聞き取り(Live Listening):PCやスマートフォンのブラウザでページを開くだけで、現地の講演や対面会議の音声を端末のマイクから拾ってリアルタイムに二言語字幕を表示し、終了後はテキスト履歴を書き出すことができます。
- リンク共有通話(Translated Call):主催者がWeb上でログインして招待リンクを生成し、参加者はアプリのインストールもアカウント登録も不要で、PCやスマホのブラウザからリンクを開くだけで参加できます。表示名を入力して入室を申請し、主催者が許可すれば通話が開始されます。双方がそれぞれの母国語で話すと、リアルタイムで相手の言語の翻訳音声が再生され、画面上にも二言語字幕が表示されます。
5. シナリオ別比較と使い分けの指針
業務の目的に応じて最適なツールを選択できるよう、以下の比較マトリクスをご活用ください:
多言語業務の性質によって適したツールは異なります。日常的なWeb閲覧やWindows環境での会議音声の字幕表示が中心であれば、LingoCloud は扱いやすく実用的な選択肢です。一方で、複雑な学術PDFの翻訳、字幕のないストリーミング動画の視聴、あるいは相手にアプリを入れさせずにスムーズなWeb通話を行いたい場合は、Equalang が包括的な作業環境を提供します。